若い症例は「日本人男性の野球選手だけ」という難病
「黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)」、骨化したじん帯が神経を押して、足の感覚を失う、国指定の難病であることが分かりました。
(福島医科大学 加藤欽志先生)
「20代とか30歳ぐらいで発症するっていうケースは、もう極めて珍しくて、これは世界中でも、日本人の男性の野球選手にしか…医学文献上も報告されていない」


手術しても、完治しない可能性もありました。
(福島医科大学 加藤欽志先生)
「重症の方だと、やっぱり過去のプロ野球選手でも、(症状が)完全に回復しなかったり、しびれが残ったりという選手が何人もいると聞いている」
そのうちの一人が、現在ドラゴンズのスタッフとして働く、大蔵彰人(おおくらあきと)さん(28)。2017年に育成選手として入団した大蔵さんは、福投手と同じ病気にかかり、4年前に手術を受けましたが。
(元ドラゴンズ投手 現スコアラー 大藏彰人さん)
「脳がしびれ感を覚えちゃってまして。本当は痺れてないんですけど、勝手に頭が痺れてると思いこんで、(患部を)摘出したはずなのに、まだずっとしびれている感覚」

ところが、翌年引退した大蔵さんの症例があったから、その後の福投手の早期治療につながりました。
(福島医科大学 加藤欽志先生)
「福投手は発症してから1か月くらいで私のところに来ているので、診断が非常に早かった。中日ドラゴンズのチームドクターの連携が非常に素晴らしかった」
10月に手術は成功。沖縄キャンプでは実戦練習ができるまでになりました。SNSトラブルや国指定の難病。それにしても…。
Qなんでうちの夫ばかりにこんなことが起きるんだろうって、思いませんでしたか?
(福投手夫人)
「あ、そこは思わなかったですね。いろんなことを乗り越えたからこそ今があると思ってるんで。そこはもうそういう運命だなと思ってます」

4月、二軍戦のマウンドに上がった福投手は、バッターに投げる前に首から下げた「何か」を握りしめていました。