中国の秦剛外相は、パキスタン、アフガニスタンの外相との3者会談に出席し、関係を強化することで一致しました。アフガニスタンを支配するタリバン政権に対する国際社会の批判が強まる中、この地域での影響力を拡大する狙いがあるものとみられます。

パキスタンを訪問中の中国の秦剛外相は、6日、パキスタンのブット外相、そして、アフガニスタンで実権を握るイスラム主義組織タリバンのムッタキ外相代行との3者会談に出席しました。

中国外務省の発表によりますと、秦外相は「両国との友好関係の発展を重視し、開発協力関係を強化することを望む」と述べ、中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」をアフガニスタンにも広げることで、経済や農業などの分野での協力を強化する方針で一致したということです。

また、3か国は「政治的相互信頼を深め、お互いの主権と領土保全を尊重する」として、「アフガニスタンに対する内政干渉や制裁に反対する」ことでも合意したということです。

アフガニスタンをめぐっては、タリバン政権が女性の権利を抑圧していることに国際社会が批判を強めていますが、中国としては、2021年にアメリカ軍が撤退し、その影響力が失われる中、タリバン政権を支援することで、この地域での影響力を強める狙いがあるものとみられます。