クーデターで実権を握るミャンマーの軍事政権は3日、軍に批判的な活動をしたなどとして収監された2153人に恩赦を与えました。日本とミャンマーで活動していた映像作家の男性も釈放されています。

ミャンマーの軍事政権は3日、逮捕や収監した2153人を釈放し、最大都市ヤンゴンの刑務所には大勢の家族らが詰めかけました。軍は「仏教の祭典に合わせ、平和な精神と人道的理由から恩赦を命じた」と発表しています。

2153人は、うその情報を流したり社会不安をあおったりしたとして「扇動罪」などで収監された政治犯で、軍に批判的な活動をした著名人や抗議デモの参加者、ジャーナリストが含まれているとみられます。

また、関係者によりますと、幼少期に日本に移住したミャンマー人の映像作家ティン・ダンさんも解放されたということです。日本の専門学校を卒業したティン・ダンさんは、日本とミャンマーで映画監督として活動し、クーデター後に民主派のデモを取材していたところ拘束されていました。

軍はクーデター以降、市民への弾圧や言論の統制を強めていて、独立系メディアによりますと、これまでに2万1000人以上が逮捕されました。

また、国際ジャーナリスト集団「国境なき記者団」は今年1月、日本人を含む「少なくとも130人のジャーナリストが投獄され、72人が拘束されたままだ」としています。