いま、観光業界の中で注目されているのが「サステナブルツーリズム」という考え方です。静岡県内でも持続可能な観光施設が増えていて、環境に優しく旅行が楽しめるようになっています。
<坂口将也記者>
「実はこの学校。隣の部屋に移動すると、宿泊できる施設になっているんです」
牧之原市片浜にある宿泊施設「遊んで泊まれる小学校カタショー」。2017年に廃校となった片浜小学校。当時の風景を残してリノベーションしました。牧之原市の廃校利活用の公募に名乗りを挙げたのが、地元企業のマキノハラボです。
<マキノハラボ 浅野拳史社長>
「この片浜小学校は海・山に囲まれていてすごく自然に豊かな場所。その場所にある校舎を活用するとここだけにしかない価値が生まれる」
<坂口記者>
「懐かしの給食です」
さらに、揚げパンやソフト麺など給食のメニューを味わうこともできるんです。
<坂口記者>
「ではいただきます。めちゃくちゃ懐かしいですね。記憶よりもおいしいです」
<マキノハラボ 浅野拳史社長>
「小学校というのは誰しも通った道で高校性でも懐かしんでくれるし、おじいちゃんおばあちゃんも同じくらい懐かしんでくれる。やっぱりこの学校にはすごい価値があるんだなと。いろんな人にぜひ楽しんでもらいたいなと思う」
2022年10月、この施設では結婚式も行われました。廃校など従来の施設を新たな観光資源として活用することもサステナブルツーリズムのひとつです。
そもそも「サステナブルツーリズム」とは…。直訳すると「持続可能な観光」です。国連世界観光機関の定義によりますと、地域の特性や文化、自然を大切にするという取り組みです。
こうした考え方をもとに、空き家を宿泊施設にして地域活性を目指す活動も。静岡市清水区蒲原では、空き家となっていた築50年の古民家をリノベーションした宿泊施設が4月にオープンしました。
建物は当時使用していた屋根や柱、梁などをそのまま使用しているんです。押し入れもそのまま残されていて、昔の町屋暮らしを体験できる施設となりました。
<スルガノホールディングス 江國香菜子さん>
「蒲原ではいま空き家が増えてしまっている。それを解体すると住む人も減ってしまうし蒲原の景色が変わってしまうということで、空き家を改修してリノベーションすることで蒲原の活性化につなげたいという思いからプロジェクトを始めた」
地元の飲食店との連携も計画中とのことで、空き家の再生からまちのにぎわいを創出する、まさに「持続可能な観光」の取り組みです。
<スルガノホールディングス 江國さん>
「何度も蒲原に訪れていただくような仕組みをつくっていければなと思う」
まだまだ続く大型連休。サステナブルツーリズムの視点で旅行先を選んでみてはいかがでしょうか。
県も2025年までの計画として「しずおかサステナブルツーリズム」を推進しています。例えば「食文化」の背景をたどるガストロノミーツーリズムや、アニメ・ドラマのロケ地巡りなどもその一つです。サステナブルツーリズムの視点を持つことが、静岡の魅力を再発見するキッカケになるかもしれません。
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