先月着任した中国の新しい駐日大使が会見し、半導体の輸出規制や台湾問題でアメリカと中国の対立が深まる中、日本に対し、アメリカに同調しないよう求めました。

中国 呉江浩 駐日大使
「中日関係については今、重大な岐路に立っているという認識です。国交正常化以来、最も複雑な状況に直面し、新しい問題、リスク、チャレンジにさしかかっております」

28日、日本記者クラブで会見した中国の呉江浩駐日大使は「日中関係が重大な岐路」にあるとしたうえで、「アメリカが中国に対し、ネガティブキャンペーンを繰りひろげ圧力をかけている」と主張。「これが中日関係に影響を与える最大の外的要因だ」として日本がアメリカに同調しないよう求めました。

日本が中国の対外姿勢を「これまでにない最大の戦略的挑戦」と位置付けたことについては「中国の脅威を喧伝し軍備拡充を加速している」と批判。台湾問題では「中国の内政問題を日本の安全保障に結び付けるのは極めて有害であり、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と警告しました。

また、半導体の輸出規制をめぐっては「アメリカに同調するのであれば中国市場だけでなく、日本の半導体産業の未来を失うことになる」と警告しています。

一方で「中国は日本を重要なパートナーとみなしている」として人的往来や経済分野での連携強化を歓迎する考えも示しています。

先月、北京で日本人男性が拘束された事件については「中国の国家安全に関わるスパイ事件であり、その事実がますます確実になっている。中国の主権を侵害する事案だ」と反発しました。