国賓として訪米中の韓国の尹錫悦大統領。アメリカ重視の姿勢を強調していますが、こうした中で中国重視だった韓国企業の姿勢にも変化が起きています。

韓国の化粧品メーカーが作ったコマーシャル。美しい手つきでろくろを回すのは、世界的人気のKPOPグループ「BLACKPINK」のロゼさんです。ここに込められた意味とは…

アモーレパシフィック 李東珣 副社長
「持続可能な成長のために、中国中心の売り上げを多角化しています」

かつて韓国コスメの海外での最大の販売先は中国でしたが、売り上げは大幅に減少。去年は輸出額が3割以上も減りました。

こうした中で韓国の大手化粧品会社は、広告モデルを中国でも人気の俳優から、アメリカや東南アジアで高い人気を誇る「BLACKPINK」のロゼさんに変更。脱中国依存をはかっています。

実は今、異変が起きているのが韓国と中国の経済関係。化粧品に限らず韓国が強みを持つ半導体も中国での売り上げが大幅に落ち込み、先月の輸出額は前の年に比べて半減しました。なぜなのか。

仁荷大学 イ・ウンヒ教授
「韓国の製品と競合する製品が中国で多く開発された。今や中国製品と韓国製品が競争するような構造となっている」

様々な分野で中国が自前での生産を進めた結果、韓国にとって中国は、これまでの「お客さん」から「ライバル」に変わったため、新たな市場を目指す必要があるのです。

今年は20年ぶりに韓国の最大の輸出先が、中国からアメリカに変わるとの見込みまであります。市場としての中国の魅力に陰りも出る中、韓国政府の外交姿勢にも変化が。

訪米に先立ち、尹錫悦大統領は台湾情勢をめぐって。

韓国 尹大統領
「力による現状変更には反対する立場だ」

これに中国側が猛反発。

中国外務省
「台湾問題は中国の内政。他人は口を挟むな」

批判の応酬となりました。

こうした中で26日に行われる米韓首脳会談。共同声明を出す方向で調整されていることがJNNの取材で分かりました。北朝鮮の脅威が高まる中、声明にはアメリカの核戦力などで韓国を守る「拡大抑止」の強化について盛り込まれる可能性があります。