和紙に魅せられて高知に移住したオランダ出身の土佐和紙職人が、和紙を身近に感じてもらおうと原材料である「ミツマタ」の苗の販売を始めました。3月には、黄色い、かわいらしい花が咲くということです。
包み込んでくれそうなやわらかく温かい和紙の作品。
この和紙を作ったのはオランダ出身で、いまは梼原町にいる和紙職人のロギール・アウテンボーガルトさんです。伝統技能を受け継ぐ優れた人を県が認定する「土佐の匠」にも選ばれています。
「和紙の美しさに『バーン!』と衝撃を受けて…」
およそ40年前、和紙に魅せられて日本にやって来たロギールさん。すぐに全国にある和紙の産地をまわりました。
(和紙職人 ロギール・アウテンボーガルトさん)
「いまはまだ作られていない一番いい紙をつくるには“材料”を知っていかないといけない。土佐が紙の原材料の一番の産地なので、高知に移住することを決めた」
オランダに似て人が温かいことも高知を選ぶ決め手となりました。そんなロギールさんがいま危機感を覚えているのが、ミツマタ農家の減少です。
(和紙職人 ロギール・アウテンボーガルトさん)
「少しずつ(農家も職人も)減ってきているし、和紙を使う機会も減っている。1500年の歴史がある和紙をなんとか形を変えても続けないと」
伝統産業を守るため、まずは和紙のことを身近に感じてもらおうと始めたのが、ミツマタの苗の販売です。ロギールさんが育てた苗で、県内のホームセンター、7店舗で販売しています。3月には黄色く可愛らしい花が咲くと言います。
「苗を買って花を楽しんで、土佐和紙の歴史につながっていく。どんどん1つの苗から1500年の歴史に入り込んでそれをサポートすることができたら一番おもしろいんじゃないかなと。初めての試みなのでどうなるか楽しみです…」














