平林金属男子ソフトボール部を昨シーズンで引退した松田光さんが、女子ソフトボール・シオノギの新監督として新たなスタートを切った一方で、平林金属男子ソフトボール部も、投打の要が抜けた今シーズン、4人の新人が加入するなど新体制が始動しました。

いまや日本屈指の強豪となった平林金属男子ソフトボール部。その輝かしい栄光の立役者だった松田光選手が昨シーズンで現役を引退し、チームは今シーズン、新たな一歩を踏み出そうとしています。
「2023年、これでやっと全員そろってスタートするんで、フレッシュな気持ちで今年また日本一になるという気持ちをもって戦っていきましょう」

(平林金属男子ソフトボール部 吉村啓監督)「松田光がいたあの時代があって、また新しい時代をスタートさせるという意味合いで4人のルーキーを迎えて」
平林金属で13年間投打の要としてチームを支えた松田選手。引退会見で本音を語りました。

((当時)平林金属男子ソフトボール部 松田光選手)「松田がいなくなってちょっと弱くなったなって思ってもらいたいというのも本音です」

松田選手が在籍した13年間で、チームは国内の主要大会を25回も制覇しました。選手個人では日本リーグでMVPを6回受賞、最多勝と本塁打王に5回ずつ輝くなど、まさに投打の二刀流として活躍しました。

その活躍は国内だけにとどまらず、2019年のワールドカップでは準優勝しMVPにも輝きました。しかし昨年、悲願の優勝を目指した現役最後のワールドカップはまさかの予選リーグ敗退。

(吉村啓監督)「日本らしいソフトボールができなかった、なおかつ3年の間に僕らも成長したつもりでしたけど、海外がもっと成長してたのを肌で感じた」

(小山玲央選手)「松田さんと世界一になりたかったんですけど、なれなかったんで」
松田選手のほか、吉村監督ら6人が日本代表に選出された大会。しかし、現役の最後を世界一の栄冠で彩ることはできませんでした。
((当時)松田光選手)「この大会が、この負けがあったから、悔しさで(次の大会で)優勝できたみたいな大会になってくれたらいいですよね」

投打のエースが去った平林金属。地元出身のルーキーら松田に憧れる新人4人が加入しました。
(阿曽慣太選手)「ゆくゆくは日本代表に入れるような存在になっていきたい」
(井上裕太郎選手)「松田さんは偉大すぎる存在なので、松田さんのあとというプレッシャーはなくて、そこに近づけられるような選手になりたい」

おととしまで日本リーグ3連覇を果たすも、昨年はシーズンから苦戦し、日本一を逃した平林金属。今年6月には日本リーグ岡山大会という地元での大舞台を控えるなか、松田光さんの穴を埋めようとチーム一丸となって開幕を迎えます。

(鳥山和也主将)「昨年よりもチームが一致団結して勝ちを取れるように頑張る」

(吉村啓監督)「それぞれのレベルアップを求めたのと、新人には自分の色を出してくれということを強く求めているので、これがうまくミックスされると、もしかしたら昨年よりも強いヒラキン見られるのかもしれない」

平林金属は新チームへ、松田選手は監督として。それぞれが新たな道を歩み始めた今シーズン。男子の日本リーグは今週金曜日に広島で開幕。日本一奪還へ、「ヒラキン」男子ソフトボール部の新たな戦いが始まります。