フィリピンを訪問中の中国の秦剛外相は22日、マルコス大統領と面会し、領有権争いが続く南シナ海の問題をめぐって両国間の連絡メカニズムの改善を提案しました。

南シナ海では、中国とフィリピンが領有権をめぐって対立していますが、ことし2月、中国海警局の船がフィリピンの巡視船にレーザー照射をするなど、中国の活動に対するフィリピン側の反発が強まっています。

中国外務省の発表によりますと、中国の秦剛外相は22日、訪問中のフィリピンでマルコス大統領と面会し、「連絡メカニズムをさらに改善し事態を管理する」ことを提案したということです。

これに対し、マルコス大統領は「意思疎通を強化し、南シナ海での問題が両国関係を妨げないことを望む」と述べたということです。

フィリピンをめぐっては、アメリカと外務・防衛の閣僚協議=「2+2」を7年ぶりに開催したほか、来月にはマルコス大統領が訪米しバイデン大統領と会談するなど、アメリカと安全保障面での結びつきを強めています。

中国としては、今回の秦外相の訪問でこうした両国の連携の動きにくさびを打ち込み、経済協力などを打ち出すことでフィリピンを中国側に引き寄せたい狙いがあるものとみられます。