沖縄料理に欠かせない食材の軟骨ソーキが、いま不足しています。県内のそば屋などでは、メニューの置き換えなど様々な措置を余儀なくされていますがなぜ品薄状態になっているのか、そのワケを取材しました。

ホロホロ溶ける食感で、沖縄そばと相性抜群の『軟骨ソーキ』。県民や観光客と多くの人に親しまれていますが、いま危機的状況を迎えています。

上原ミート農連店 屋我翔太店長「ことし2月3月ぐらいから大きく変動があったと思う。以前の半分ぐらいの数量しか確保できていない状況ですね」

精肉の卸や販売を行う上原ミート。品薄の原因を訪ねると…。

上原ミート農連店 屋我翔太店長「県外の豚の頭数が減っているのと、県外の大手企業が押さえているという感じで聞いています」

コロナ禍によって国内で飼育する豚の数を減らしたことや、県外の大手コンビニなどが軟骨ソーキをラインナップしたことで県内まで在庫が回らない状況になっている現状です。

このことから取引価格も変動し、上原ミートでは、これまで1キロおよそ400円で仕入れていた軟骨ソーキですが、現在はおよそ800円と2倍の価格に高騰しています。

こうした影響による打撃を大きく受けているのが、県内のそば屋です。

今野リポーター「こちらのそば屋さんでは、定番メニューの軟骨ソーキそばが現在品薄のため、1日15食と限定をうって販売されています」

創業14年、那覇市にある楚辺そばは、4つの精肉卸店と契約していますが、品薄の影響で現在仕入れができているのは2社のみ。仕入れ量は減少しているのにも関わらず、仕入れ値は倍以上に跳ね上がっていると言います。

沖縄そば海産物料理店『楚辺』 國吉真代表「月に1トンくらい欲しいと仕入れていたものが、今では500キログラムだったりとか。肉屋もいろいろ大変だと思いますが、そこを調整しながらやっている状態です。以前は1キロ480円でとっていたのが、今高いところだと1050円とか倍以上の取引になっているところがあります」

多くのそば屋では軟骨ソーキの提供を一時休止する中、楚辺そばは、さまざまな策を講じて1日でも長く軟骨ソーキそばを提供する努力を続けています。

沖縄そば海産物料理店『楚辺』 國吉真代表「厳しいですけど、お客さんがそれを狙っていて、目玉商品ではあるので、なるだけ提供できるように努力しながら、お客さんが満足できるように頑張っています」

県民からも、軟骨ソーキの安定供給を待ち望む声があがっています。

県民「軟骨ソーキはなくてはならないものって感じはありますよね。小さいころから食べ慣れている大き目なお肉というイメージがあるので1日も早く通常メニューとして、限定何食じゃなくて、ずっとあるいつもあるメニューになってくれると嬉しいですね」

沖縄の食卓には欠かせない『軟骨ソーキ』。いつ安定した供給量が確保できるのか、回復の見通しはまだ立っていないということです。