去年、デフォルト=債務不履行状態になるなど深刻な経済危機に陥っているスリランカの債務返済条件の変更に向け、日本が主導して債権国会議を立ち上げました。

インド洋の島国、スリランカは中国などから借り入れた多額の債務を抱えるなか、新型コロナの影響で主力の観光業が落ち込み、去年5月デフォルトに陥るなど経済危機が深刻化しています。

こうしたスリランカ経済の立て直しに向け、日本とインド、フランスは13日、スリランカの債務の返済条件などを見直す債務再編に向けた債権国会議を立ち上げたと発表しました。

立ち上げは日本が主導したもので、スリランカの最大の債権国である中国にも参加を呼びかけています。記者会見で鈴木財務大臣は、パリクラブ=主要債権国会議には参加していない中国も念頭に話し合いの重要性を強調しました。

鈴木俊一財務相
「スリランカが債務の問題で今、危機に陥っている。そこから脱却するためには、パリクラブおよび非パリクラブの多くの債権国が集まって、透明かつ公平に債務再編を協議することが必要だ」

欧米を中心に金利の引き上げが進むなか、途上国が抱える対外債務が膨らみ、世界経済の懸念材料になっています。

日本政府としては、中国を巻き込んだ形でスリランカの債務再編を進め、中国が債権を持つほかの途上国での債務再編の先行事例にしたい考えです。