今週末、高知県香美市香北町に、クラフトビールの工場と、できたてのビールを楽しめる「ビアスタンド」がオープンします。大阪から移住した社長の夢が形となった新施設。一体どんな場所なのでしょうか。
物部川と雄大な山に囲まれた香美市香北町に、今週土曜日、ビール好きにはたまらない施設がオープンします。「TOSACO TAP STAND」です。

併設するクラフトビール工場で作られたばかりのビールを、大自然の中で楽しむことができます。
(京都からのファン)
「高知という地域を支援したくてクラフトビールを探したらこちらの『TOSACO』がヒットしたので一回試しに買ってみようと思って。買ったビールがすごく美味しかったのでそれから2か月に1回注文している」
提供されるビールは「TOSACO」。2017年に大阪から移住した瀬戸口信弥(せとぐち・しんや)さんがユズやトマトなど、高知の食材を使って作るビールです。瀬戸口さんは妻の兄が高知大学に通っていたことがきっかけで高知をひんぱんに訪れるようになり、次第に高知への移住を考えるようになりました。
(瀬戸口信弥 代表)
「住みたいという気持ちとどういうことを生業にするかというところを一緒に考えていったわけなんですけど、自分で本当に1から100まで作りきって売ることのできるようなもの、しかも自分が何よりも大好きなものっていうところでずっと長いこと悩んで搾りだしたのがビールだったっていうのがあります」

瀬戸口さんが「TOSACO」を作り始めたのは5年前。これまでは地元スーパーの協力のもと精米工場の空きスペースを使ってビールを作っていました。しかし、ビールの人気が高まり生産が追い付かなくなったこと、そして何より瀬戸口さんの創業当時からの「自然のそばで美味しいビールを提供する」という夢への思いからこのほど、新工場とビアスタンドを作ることになったのです。

(瀬戸口さん)
「やはり景観の良さ、あと川のそばですごくこの物部川の魅力が一番光るすごくゆったりとした川の流れとかあの雄大な川の景色、森の景色とというかそういう景色を見ながら自分たちがビールを作ってビールを提供できるっていうそういう場所っていうのはこの場所ができたことで達成できるかなと思っています」
こうした思いから完成した「TOSACOTAPSTAND」では県内各地のさまざまな素材を使ったビールを自然を眺めながら楽しむことができます。
(リポート:尾上七海)
「新しい工場で作られたばかりのビール、早速いただきます!」

「フルーティな香りが口の中に広がって本当に美味しいです!さっぱりしていて何杯でも飲めそうです」
常時10種類ほどのビールが用意されていて、メニュー表にもこだわりが詰まっています。

(瀬戸口さん)
「この各ビールの特徴とかの表し方とかもあんまり難しいことを書くのをもう一切やめたんです。TOSACOにとって一番大事な生産者さんとのつながりとか素材っていうところを特徴として書かせていただいています」
創業当時から瀬戸口さんの頑張りを間近で見ていた地元の人たちも、新しい施設の完成を喜んでいます。

(土佐山田ショッピングセンター 大峯義道さん)
「(創業)当時瀬戸口さんが初めの工場を見に来てここでやりますとなったときに、せっかく高知で初めての(クラフトビールを)作るので応援をしようかということで始まった。瀬戸口さんが苦労しているのを見てきたのでよくここまで大きくなったなと」
創業から6年、瀬戸口さんは「美味しいビールを作る」だけにとどまらない大きな目標を掲げこの場所をその実現に向けた第一歩としたいと話します。
(瀬戸口さん)
「この場所でやりたいこととしては1つは自分のこの物作りの形の中に地域に豊かさが循環させられるような形を作ったうえでビールづくりをしていく。2つめは各地域の面白い素材というのは実際にある。観光客の方たちが来てもかってもらえるような魅力的な商品が生み出しにくいっていうところがある中でそういった商品の開発支援をだったりを手伝いたい。3つめはやっぱりここの地域、物部川流域とか香美市のにぎわい作りっていう所の中で新たに出来たタップスタンド&ガーデンっていうところが地域の中核的な場所としてお客さんを呼んでくれるような場所にしてきたいというのがあります」
地域とビールへの思いが詰まった「TOSACOTAPSTAND」は今週土曜日にオープンします。