わたしの防災です。今回は100年前の関東大震災で広がった「流言」=デマの情報について考えます。南海トラフ巨大地震などこれから起きる災害でも新たな伝達手段でデマによる混乱が起きると専門家が指摘しています。
1923年に起きた関東大震災です。地震発生からおよそ3日間、流言=デマが広まり、混乱が起きたと歴史の記録に残っています。
<東京大学 関谷直也准教授>
「9月3日の段階でこういう新聞記事が出ています。上水道に毒をまく。囚人300名脱獄し、大暴状。静岡隊出動す。当時は必ずしも口伝えだけで混乱が広がったわけじゃなくて新聞を通しても広まっていった」
同様の記事は全国の新聞に掲載されていて、当時は新聞記者も正確な情報をつかめなかったと考えられています。
災害時のデマはなぜ流れて、広がるのか?防災情報の専門家が議論しました。
<東京大学 関谷直也准教授>
「電灯もなく、情報もなく、何が起こっているのか分からない中で、不安があるからこそ流言が流れ続けた」
現代では、多くの人が新聞だけでなく、SNSなどのネットから情報を得ています。最近の災害でもデマに惑わされるケースが起きています。
2016年の熊本地震では…。
<Twitterのデマ>
「地震のせいでうちの近くの動物園からライオン放たれたんだが熊本」
SNSで誤った情報が拡散され、投稿した人が逮捕される事態になりました。
2022年1月、南太平洋トンガ沖の海底火山の噴火では、津波のフェイク動画にだまされテレビで放送してしまう失敗もありました。
<TBSテレビ報道局 福島隆史解説委員>
「投稿者とも接触して使用許諾を得るような、どこで撮影したのかとか、やりとりをしつつ、フェイクであると見抜けずに放送してしまい訂正した」
2018年の北海道胆振東部地震では、自衛隊もデマの打ち消しに苦労したといいます。
<国士舘大学 中林啓修准教授>
「自衛隊から聞きましたと。あしたの何時頃、本震が来るんです。そんな予知はどう考えてもできるわけはなくて、防衛省がどうするんだろうと見ていたが、打ち消しに半日以上かかっているのが当時あった」
時代や伝達手段が変わっても、人々が不安を感じる限り、災害時にデマは流れると専門家は指摘します。
<東京大学 関谷直也准教授>
「正しい、正しくないということではなくて、こんなひどい目にあっているんだという心情を共有したいというのが根本にあって、結局、いくらファクトチェックをして正しい情報を伝えたとしても、本人がそれを自覚して、これは流言なんじゃないだろうかという目を持たない限りはデマの情報に接したときに、いくら正しい情報が後から来たとしても自分の考え方や認知を否定できるかというと、そう簡単には否定できない」
災害時には正しくない情報が流れる。そのことを私たち一人ひとりが理解しておかない限り、次の災害でもデマに惑わされてしまいます。
流言やデマに惑わされないためにはどうしたらいいのか。東京大学の関谷教授は3つのポイントを挙げています。
一つ目は「不安だから流言は広がる」…メカニズムを知ることが大事。
二つ目は「流言は知者に留まる」…おかしいと思った人が止めることで拡大を防げる。
三つ目は「流言ワクチンを打つ」…流言がどう広がるのかあらかじめ知っておけば正しいかどうか判断できるということです。
災害が起きる前の平時から考えておくことが大切です。
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