ウクライナ側の大規模な反転攻勢に向けた動きも指摘される中、ロシアでは今月から40万人規模とされる契約軍人の募集が始まっています。

モスクワ中心部にあるターミナル駅。駅前の広場で兵士を募集するチラシが配布されていました。

ロシアメディアなどによりますと、ロシア国防省は今月から契約軍人の募集を開始。年末までに40万人の増員を目指すとしています。

街中にも…

記者
「大型スーパーマーケットの入り口にも募集ポスターが貼られています。目立つ形で貼られています」

「祖国を守るのが我々の任務」と大きく書かれたポスター。そのうえには「尊敬」「名誉」「十分な報酬」と記されています。

募集のチラシなどによりますと、対象は18歳以上で、11か月以上の契約が必要となり、報酬は軍事作戦の地域では月21万ルーブル、日本円でおよそ34万円からとなっています。

市民は…

市民
「興味ないです。(Q.21万ルーブルが支払われると)その金額なら行くかもしれません」
「経済状況が悪化すれば、仕方なく行く市民もいると思います」

ロシアでは去年、30万人の動員が行われましたが、多くの国民が国外に脱出するなど混乱が広がったこともあり、プーチン政権は今回あくまで「志願兵」の位置付けで兵員を補いたい考えです。

40万人を集めるのは「現実的ではない」とする声も出ていますが、独立系メディアなどは各地の地方当局に対し、事前に採用人数が割り当てられていると報じています。

こうした中、ロシア下院は11日、兵役の招集令状についてインターネットでも通知ができるようにし、招集された者の出国を禁じる法改正案を可決しました。効率良く兵員を確保する狙いがあるとみられます。

一方、ウクライナ東部の要衝バフムトをめぐり、民間軍事会社ワグネルの創設者、プリゴジン氏は11日、SNSを通じて「バフムトの8割以上を掌握した」と主張しました。

ロシア国防省はロシア軍の主力部隊をバフムトに集中させ、ワグネル部隊を空てい部隊が支援していると発表するなど、バフムトの攻防は一層激化しているものとみられます。