IMF=国際通貨基金は最新の世界経済見通しを公表し、金融市場の混乱などを受けて今年の世界全体の成長率は2.8%と、1月時点の予測から0.1ポイント引き下げました。

IMFが11日に公表した最新の「世界経済見通し」によりますと、今年の世界全体の成長率は2.8%で1月時点の予測から0.1ポイント引き下げました。

▼世界的なインフレの「高止まり」に加えて、▼アメリカの銀行の破綻をきっかけとした金融市場の混乱が新たな重石となっていて、IMFは経済が下振れするリスクが高まったと分析しています。

一方で、金融市場の安定のため政策当局が「断固たる行動」を取ったとしていて、引き下げ幅は限定的でした。

また、日本の成長率は去年10月から12月の設備投資が弱かったことなどから1.3%と見込み、0.5ポイント引き下げています。このほか、ウクライナ戦争の長期化が経済に影響しているとして、5年後の2028年の成長率を3.0%と予測しました。

IMFは「中期的な見通しとしては数十年ぶりの低水準」だとしています。