「四国の右下エリア」はDMV+1で地元活性化。アクティビティとからめてPR

DMVの宍喰駅からバスで10分程度にあるのが「海中観光船ブルーマリン」。徳島県南部のサンゴや熱帯魚を観察しながら遊覧する観光船だ。

海洋自然博物館 奥村正俊館長:
来ていただくお客様はコロナ前の令和元年度より40%増えています。平日の11時のみですが、満船になるような状態でした。

DMVの終点駅「道の駅 宍喰温泉」に併設されている「ホテルリビエラししくい」は全室オーシャンビューで徳島のきれいな海を眺められる人気のホテルだ。

HOTEL RIVIERAししくい 濱田紀州臣総支配人:
1年経ってだんだん浸透してきまして、県内県外、海外のお客様が徐々に増えてきています。1.5倍ぐらい前後で数字が伸びてくることは確実です。

濱田総支配人は一時的な賑わいになるのではなく、DMVがきっかけで魅力を知ってもらい、リピーターを増やしたいと言う。

濱田総支配人:
客寄せパンダパンダちゃんではないけどDMVに引っ張ってもらって、来たら良かったねと。リピーターのお客様になるためには、来たお客様を一生懸命おもてなしさせていただいてお迎えさせていただければと思っています。

年間2億円の経済効果を見込まれていたDMV。地元の観光団体はDMVの経済効果を地域全体に広げる必要があると言う。

四国の右下観光局 戒田篤生総括マネージャー:
DMVを活用した観光客誘致は今、DMV+1という形で推進しています。DMV以外のコンテンツ、四国の右下エリアはマリンスポーツをはじめお遍路などたくさんの魅力のあるアクティビティがあります。それをDMVプラス1としてぜひ体験していただきたいと考えています。

DMVは徳島県の「阿波海南文化村」から平日は「道の駅 宍喰温泉」まで運行している。土日祝日は高知県の「海の駅 トロム」まで運行しており、約50キロ、所要時間は1時間半ほどだ。

――鉄道を残しながらバスとしても利用して活用範囲を広げようということだ。

東京大学名誉教授 伊藤元重氏:
今、全国でこういう鉄道をどうするかというところが出ています。今までだと、どちらかというとバスにするとかいろいろな話がありましたが、鉄道を残してしかもコストを下げられるというように魅力的ではあります。

DMVの効果はまず「地域活性化」。DMV目当てで訪れる人がいるということ。そして「経営改善」。鉄道車両と比較し、燃料費や保守費用など運用コストを削減できる。さらに「災害時の交通機能維持」ということで、津波などの災害時に被災者支援を素早く行うことができるということだ。

今、全国で鉄道の存亡がかかっているところがたくさんある。鉄道を残しながら活用する一つのオプションとして期待されている。今後の効果に期待したい。

(BS-TBS『Bizスクエア』 4月8日放送より)