次々と押し寄せる値上げの波。タクシーの運賃も4月、改定されました。
長距離では値上げの一方、初乗り料金を引き下げ、より身近な「公共交通」として浸透を図ります。
4月1日から運賃の改定をしたのは甲府市や甲斐市、昭和町など国中地域の事業者40社です。
改定により初乗り運賃が1800m740円から1272m600円に。
90円の加算運賃は278mごとから264mごとに短縮されます。
つまり、1800mの時点ではこれまでより40円高い780円となり、これ以降の乗車はおおむね5%の値上げとなりました。
「YKタクシー」を運行する甲府市の山梨交通は、値上げの要因として燃料の高騰や乗務員の確保だけでなく、感染症対策として急速に普及したキャッシュレス決済も挙げています。
山梨交通 奥川和成タクシー事業部長:
キャッシュレス決済が増えてきて手数料が増加した。安心安全、快適にタクシーを利用してもらうために各社が努めていますので、理解してほしい。
事業者としても苦しい運賃改定の一方で、売りにしたいのが初乗り運賃の引き下げです。
甲府駅から600円のタクシー代で行ける主な場所は、南は甲府市役所や百貨店の岡島、北は山梨病院などとなっています。
また、YCC県民文化ホールまでは690円と、これまでより50円安く利用できる見込みです。
今回の改定に利用者側も理解を示しているようです。
街の人:
「手を出しやすくなって乗ってもいいかなと思う」
「(初乗り値下げで)お年寄りがたくさん使うのにいい」
山梨交通 奥川和成タクシー事業部長:
気軽に少しでも多くの人に利用していただくのが今回の趣旨。買い物などの荷物があるときにはタクシーを利用してもらい、自宅まで送ることができればということも想定している。
単なる値上げではなく、より身近な「公共交通」へ。
タクシー業界の経営努力が続いています。