4月6日、静岡県内の一部の幼稚園や保育園では、入園式が行われました。子どもの命を守るために、4月から通園バスに安全装置の設置を義務付ける新たな取り組みがスタートしています。
「おめでとうございます!」
静岡市駿河区の南八幡幼稚園です。満開の桜の下、44人の園児が入園しました。
<保護者>
「元気に自分がしたいことをのびのびとやってほしい」
「先生を信じるしかない。いい距離感でやっていただき、先生に委ねる気持ちでいます」
<園児>
「お歌を頑張ります」
笑顔いっぱいの入園式となりましたが、県内では子どもたちの命を守る取り組みが始まっています。
静岡市駿河区のサレジオ幼稚園では6日から、安全装置が設置された全4台のバスの運用が始まりました。
この背景にあるのは2022年9月、静岡県牧之原市のこども園で通園バスに当時3歳の園児が置き去りにされ、死亡した事件です。これを受け、国は2023年度から幼稚園や保育園の園児らの送迎バスに安全装置の設置を義務付けることになったのです。
<通園バスの運転手>
「エンジンを切ると、置き去り防止のブザーが鳴ります」
設置された安全装置は、運転手がエンジンを切った後、ブザーが鳴りだし、後部座席に設置されたスイッチを押さなければ、ブザーは鳴り続ける仕組みとなっています。そのため、運転手がその都度、後部座席に行くことで、人為的なミスをなくすと期待されています。
<静岡サレジオ 石田祥一郎事務局長>
「安全マニュアルをしっかりと整備し、安全体制の確保に努めてまいります」
静岡サレジオによりますと、設置には1台につき20万円ほどの費用がかかったといいます。国の補助を申請していて、実質の負担はほぼないといいますが、支払われるまでには、まだ時間がかかるといいます。
一方で、静岡県や政令市が担当する114の保育施設では、まだ安全装置が設置されていません。
<静岡県こども未来課 鈴木安由美課長>
「導入に関する生産状況が追いついていない。国もメーカーの状況踏まえて、1年間の経過措置を設けている。安全管理の危機が高まる夏前の6月までには装置の設置をお願いしたい」
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