4月1日に始まった、自転車に乗る際のヘルメット着用の「努力義務化」についてです。イブニングニュースでは3月に、岡山市内でヘルメットの着用率を調べましたが、その時は「わずか4%」とほとんどの人が被っていませんでした。法律の施行からまもなく1週間が立ちますが、状況に変化はあったのでしょうか。

岡山市中心部。朝の通勤時間帯の柳川交差点です。

(佐藤大祐記者)「ヘルメットの着用が努力義務化され、まもなく1週間。着用している人はどれくらいいるのでしょうか」

多くの人が行き交う午前7時半から8時までの30分間、ヘルメットを着用している人をカウントしてみました。

その結果は…。149人中、着用していた人は6人。着用率は僅か5パーセントでした。

努力義務化が始まる以前の3月15日に行った調査とほぼ同じ着用率でしたが、最近、意識が変わったという人も見受けられました。

ー被ろうと思った理由は?
(着用していた人)
「努力義務化。やっぱり国から言われたら被らないといけないと思って」
「孫のヘルメットをもらって。ちょっと窮屈なんですけどね」

一方で多くを占めた、ヘルメットを着用しない人の意見は…

(非着用の人)
「どういうものを用意しようかなと悩んでいて、結局まだ出来ていなという」
「用意するのが面倒だなと思って」
「髪もセットしないと崩れてしまうので。周りの人もあまり被っていないですし」

【解説】
4月1日から施行された改正道路交通法では、「自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならない」と定められました。これが「努力義務」です。「努力を求めるもの」で仮に守らなかったからといって刑罰は課せられません。

実はこれまでも、この努力義務は13歳未満に課されていて、この対象をすべての年齢に広げることで、後を絶たない自転車の死亡事故を少しでも減らそうというものなんです。

きょう(6日)岡山市内で行った取材では、着用率に大きな変化は見られませんでしたが、香川県では顕著な変化が見られました。

香川県警によりますとヘルメットの着用率は3月末で6%だったのが、けさ(6日朝)の調査では11%に増えていたということです。

この努力義務化を巡り、教育現場も岡山では変わりました。

岡山市などでは、以前から中学校ではヘルメットを着用するよう指導してきましたが、今回の法律の施行に合わせ、県教委は県内の高校に対して「着用を一律に義務化するわけではないものの、着用の重要性や交通ルールの徹底を指導するよう求める」通達を2月末に出しました。

高校もヘルメットを着用するようにと動き出したことから、ヘルメットを扱う業者にも動きが出てきています。

ヘルメットの製造と販売を行う、岡山市北区の会社です。

先月から、主に県内外の高校などから数十個単位での注文が相次いでいるといいます。

(カワハラ 河原敏雄さん)
「注文が来ることは、分かっていたから準備していたんですけど、かなり予想外にきて、いま品不足になるんじゃないかなと」

この1か月間、学校向けに販売したヘルメットの個数は去年の同じ時期より2万個増えました。

一方で、一般の人からの需要は伸び悩んでいるということで、ヘルメットの着用については行政などによるさらなる啓発が必要と感じています。

(カワハラ 河原敏雄さん)
「意識している人は早く買うし、ああそうだなと知っていても買わない人は全体の7割ぐらいいます」

こうした中、岡山県警の担当者は「命を守るためにもヘルメットの着用は自分事として考えほしい」と話します。

(岡山県警交通企画課 藤原崇史さん)「被っていた場合の方が、頭部を損傷して死亡するリスクというのを4分の1以下まで下げることができます」

岡山県警が過去10年の自転車事故を調べたところ、ヘルメットを着用していない人の致死率は着用している人の4倍でした。「努力義務を守ること」は「命を守ること」に直結するのです。

(岡山県警交通企画課 藤原崇史さん)「すべての自転車利用者の方がヘルメットを被るのが当たり前という地域になるように、県警察では活動を推進していきたいと思っています」

死亡するリスクを下げるヘルメットです。命を守るための行動とは何なのか、改めて私たち一人一人が問われているといえそうです。