4月から宅配便の料金が値上げされます。背景にあるのはドライバー不足。そして現場の大きな負担となっているのが「再配達」です。都内の配送会社を取材すると“不在になりやすい荷物”が見えてきました。そして、今、懸念されているのが物流の「2024年問題」。2030年に約35%の荷物が運べなくなるとの推計も示されています。

再配達が3割…配達ドライバーの悲鳴

東京・府中市にある配送会社。

デリバリーサービス株式会社 志村佳祐さん
「奥に並んでいる荷物、壁際にある荷物はほとんどが不在の荷物」

今、配送の現場で負担となっているのが“再配達の荷物”です。

デリバリーサービス 志村さん
「基本的にはドライバーのほうで、3度周りとかするんですけど…」

実際、どれくらい再配達となる荷物があるのでしょうか?
配送は時間との闘い。多くの荷物を運ぶために走って一軒一軒まわります。

最初の荷物は無事届けることができましたが、2軒目でいきなり・・・

「不在です」
「こんなもんですね。午前中だから落ちる(届けられる)とは限らないので」

比較的在宅率の高いという午前中ですが、次の3軒目も不在。志村さんは荷物を抱えながら不在票を書き、郵便受けに投函しました。

「(不在票を書くのも)やっぱり1~2分かかってきます。件数が多ければ多いほど1~2分がかなり貴重になってくるので」

コロナ禍でネット通販を利用する人が増え、荷物は増え続けています。2021年の宅配便の件数は49.53億個。そもそもドライバーへの負担が増えているのです。

その後も不在が続き・・・
「多分在宅しているんですけど、お子さんだけしかいない。『出ちゃダメだよ』って言われているパターンかもしれません」
「そういう時はあまり粘らず、大人しく引き下がって再配達を待つ形で対応」

大きな組み立て家具を運ぶ志村さん。配送ドライバーにとってありがたいのが・・・

「宅配ボックスに入れちゃいました。ゴルフ用のやつがあるんですよ。それで入っちゃうこともあるので」

「置き配OK」でも…「もう人海戦術しかない」

一方で、やっかいな荷物もあります。

水はストックとして買う人が多く、今すぐに必要というわけではないため、不在になりやすいといいます。

「30キロ強ぐらいですかね。しかもこれ、5階上げなんですよ。なので一番最初にとりあえず在宅確認してから、という感じになる」

水を1階まで運んだ志村さん。走って5階までいき在宅確認をします。そして降りてくると、手でOKサイン。不在になることが多い“水”で、なぜ届けることができたのかと言うと・・・

「今のお客さんは『置き配OK』という札があったので」

「置き配OK」の表示は”とてもありがたい”といいます。結局この日は午前中3時間ほどの配達で19件中、6件が不在。約3割が再配達となりました。

「再配達(の時間指定)って、午前中と18時以降に集中してきますので、拘束時間が延びる影響になってしまう」
「再配達を減らせれば一番いいんですけど、それが難しいようでしたらやっぱりもう人海戦術しかない

政府は4月を「再配達削減PR月間」と位置づけ、「置き配」や「まとめ買い」などの対策を提案。利用者に協力を求めています。