岩手県大船渡市の高台にある津波警報塔が最後のサイレン音を市街地に鳴り響かせました。運用の開始から60年あまり、地域住民に避難を促してきた役目を31日で終えました。
31日正午すぎ、大船渡市大船渡町の中心部を見渡す高台、加茂神社の境内にある津波警報塔から最後のサイレンが10秒間響き渡りました。
市の委託を受け管理を担ってきた山本布子さんが、仲間に見守られながら操作しました。
この警報塔は1960(昭和35)年のチリ地震津波の翌年に、地域住民へいち早く避難を促そうと建てられました。
その後、防災行政無線やJアラートなど様々な災害情報を伝える手段が整えられたことから、警報塔は31日で役目を終えることになりました。津波警報塔は今後も防災行政無線を放送する施設として残り、津波の記憶を伝え続けるシンボルとしても活用されます。