大分県中津市にある果樹園が10年の歳月をかけてミカンの新品種「マコポン」を開発。国の品種登録が3月に完了し、全国での普及を目指して本格的な取り組みを開始しています。
大分県中津市にある「おはら果樹園ファーム」。八面山のふもとに広がる4ヘクタールの面積で約50種類のかんきつ類を栽培しています。

社長を務める小原頼子さんは20年前、夫の実家であるこの農園に就農し、現在、収穫から販売まで手がけています。いまは新しいミカンの品種「マコポン」を売り出しています。
「マコポン」は、デコポンと大分県産オリジナルの品種「ゼリーオレンジサンセレブ」をかけあわせたもので、種もなく食べやすく、濃厚な甘さととろける食感が特長です。

小原さんの夫で会長の誠さんは、県の柑橘試験場の研究員だったときの経験をいかし10年かけて「マコポン」の開発にこぎつけました。会長の「誠」からその名が付けられています。
(おはら果樹園ファーム・小原誠会長)「(新品種の誕生は)5千本に1本、1万本に1本と言われている。県職員のときにやり残したのもあって、ライフワークでやっている」

無数のかけ合わせを経て誕生したマコポン。2年前から試験販売を開始し、3月6日、ついに国の品種登録が完了しました。そして本格的な販売に向けた取り組みが始まっています。
販売時期が冬の2か月に限られてしまうマコポン。より広く知ってもらうために1年を通して楽しめるジュースやジュレ、ドライフルーツといった様々な加工品づくりにトライしています。
(おはら果樹園ファーム・小原頼子社長)「どうやったら宣伝できるかなと思ったところで、規格外を使ってマコポンをみんなに知ってもらってファンを作りたい」
こうした加工品は、中津市の6次産業推奨品に認証されていて、「道の駅なかつ」などで販売されています。
(店員)「入り口の目立つところでみなさんの手にとってもらえればと思い置かせてもらっている。もうないのかとかまだ出ているかとか結構問い合わせがある」
(糸永記者)「マコポンが100パーセント入ったこちらのジュースをいただきます。濃厚な甘味の中にさっぱりとした酸味が感じられてとてもおいしいです」

小原さんは2月に羽田空港で行われた中津市の物産フェアに参加。マコポンを2個入り500円で販売したところ完売し大きな反響があったといいます。

今後、全国規模での普及を目指すとともに、地元・中津の活性化にもつなげたいと意気込んでいます。
(おはら果樹園ファーム・小原頼子社長)「東京にマルシェで出店するというところを目標にしている。中津のマコポン、大分県のマコポンというところで売っていきたい。みんなに愛されるマコポンであったらいいと思う」
世界にひとつだけの果実「マコポン」。その魅力を広める小原さんの奮闘が本格的に始まっています。