ロシア軍は核兵器を搭載可能なICBM=大陸間弾道ミサイルを含めた戦略ミサイル部隊の演習を始めました。

ロシア国防省は29日、戦略ミサイル部隊がシベリアのノボシビルスクなどでICBM「ヤルス」の運用訓練を含めた軍事演習を開始したと発表しました。演習には3000人以上の兵士が参加するほか、およそ300の装備が投入されるとしていて、核戦力をアピールし、ウクライナへの軍事支援を強める欧米をけん制する狙いがあるとみられます。

こうした中、ロシアのリャプコフ外務次官は29日、米ロ間の核軍縮の枠組み「新START」をめぐり、アメリカ側がロシアが条約の履行を停止したことへの対抗措置としてロシアへの情報提供を停止したと表明したことについて、「責任をロシアに押し付けている」と反発しました。

アメリカは今回の措置についてロシアに履行再開を促すためだとしていますが、ロシアは強硬姿勢を崩さず、条約存続を懸念する声も出ています。

一方、プーチン大統領が同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備する方針を示したことについて、ベラルーシ外務省は28日、受け入れる意向を表明しました。「欧米から前例のない圧力を受けてきた」とし、「安全保障を強化する必要がある」と主張。そのうえで、配備されてもベラルーシは核を管理せず、NPT=核拡散防止条約には違反しないと強調しています。