来年度から休校になる高知県黒潮町の小学校で26日、卒業式が行われ、1人の児童が最後の卒業生として巣立ちました。

黒潮町の伊与喜小学校で行われた卒業式。全校児童は6年生の男子1人だけ…。校区の6つの集落には新たに入学する子どもがいないため、来年度から休校になります。学び舎を巣立つのは山下旺海さん。川村美香校長が旺海さんに卒業証書を手渡し、はなむけの言葉を贈りました。

(川村美香 校長)
「最後に記されている4桁の番号です。その番号は明治34年度から大正、昭和、平成、令和と120年以上続いている番号で、卒業生の人数を表しています。その番号こそが伊与喜小学校の歴史ともいえ、その歴史の1ページに名を刻んだのです。生涯、大切にしてください」

またPTA会長を務める父・尚宏さんが旺海さんにお祝いの言葉を送ると共にグータッチをして卒業を祝いました。

(卒業生 山下旺海さん)
「先生方、時には優しく、時には厳しく、学び方や学ぶことの大切さ、楽しさを教えてもらいました。苦手だったことにも繰り返し挑戦しながら、以前に比べると十分成長することができました。忙しい中、時間を見つけて一緒に遊んでくださってありがとうございました。先生方から学んだことを生かして、中学校でも頑張ります」

式の最後、旺海さんは家族や教職員から花束を受け取り、にこやかな表情を見せていました。

(旺海さんの母 山下里奈さん)
「みなさんに助けられて…寂しい思いとかも色々あったけど、最後は、いい顔して卒業できたことが本当に嬉しく思います。色んなことに挑戦しながら頑張ってもらえたらいいかなと思います」

来年度から休校する伊与喜小学校。グラウンドの隅には校区の住民らによって感謝の気持ちを込めた記念の石碑が立てられ、学校の歴史を綴った記念誌も作られます。