■陸上 ブリスベン・トラック・クラシック2023(25日、オーストラリア)
男子100m元日本記録保持者の桐生祥秀(27)が約9か月ぶりにレースに復帰、10秒48をマークし9人中9位。去年6月の日本選手権後、休養を発表していた桐生は同9月に練習を再開する際に国が指定する難病「潰瘍性大腸炎」を患っていることを告白した。
桐生は2013年(洛南高3年)に日本歴代2位(当時)となる10秒01をマークし注目され、その後、東洋大に進学。2017年に9秒98(追い風1.8メートル)の日本新記録(当時)を樹立した。
高校時代から9秒台へのプレッシャーなどがストレスの原因となり2015年に「潰瘍性大腸炎」を発症。難病と闘いながらも2016年にリオ五輪4×100mリレーで銀メダルの快挙を達成した。休養中は筋肉が落ち、今まで履いていたズボンがずり落ちるほど痩せたという。
約9か月ぶりのレースは3レーン。自己ベスト(9秒98)では9人中一番速いタイムの桐生はスタート位置に立つと腕を振る動作をしたり、ピョンピョンとジャンプをしゴール地点を見つめた。そして勢いよくスタートしたが、他選手に次々と抜き去られ10秒48でゴール。9人中最下位で復帰戦を優勝で飾ることは出来なかった。
レース後、桐生は「やっぱり思ってたように初戦はうまくいかなかったですけど、ここから始まると思いますし、試合に戻れたっていうのは自分の中でプラスだと思います。まだスピード練習であったり試合の質をもっともっと高めていかないといけないので、そこは次の大会での課題かな」と前を向いた。今後の目標を「自己ベストであったり日本記録を狙っていくので、そのために一戦一戦しっかりしていきたいなと思います」と元日本記録保持者が再び記録との戦いに挑む決意を誓った。
【男子100m 結果】
優勝 Edward OSEI-NKETIA(ニュージーランド)10秒13※シーズンベスト
2位 Rohan BROWNING(オーストラリア)10秒29
3位 Tiaan WHELPTON(ニュージーランド)10秒34
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5位 東田旺洋(27・関彰商事)10秒39
6位 飯塚翔太(31・ミズノ)10秒41
9位 桐生祥秀(27・日本生命)10秒48














