岸田総理がウクライナのゼレンスキー大統領に「お土産」として贈った「必勝しゃもじ」をめぐり、波紋が広がっています。

2年前、自民党総裁選のときに岸田総理が地元から贈られたという「必勝しゃもじ」。

広島・宮島産だということですが、これと同様のしゃもじをウクライナのゼレンスキー大統領に贈っていたことがきのう、明らかになりました。

岸田総理
「外交の慣例として地元の名産のお土産を持っていく、こうしたことをよくやります」

きょうの参議院予算委員会で、岸田総理はこう説明しましたが…

立憲民主党 石垣のりこ参院議員
「日本がやるべきは、やはり平和をいかに和平を行うかであって、これ必勝というのは、余りにも不適切ではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか」

岸田総理
「ウクライナの方々は祖国や自由を守るために戦っておられます。我々は敬意を表したいと思いますし、我が国としてウクライナ支援をしっかり行っていきたい」

立憲民主党 泉健太代表
「必勝しゃもじを贈るっていうのは、どうもやはり違和感が拭えない。いつでも地元をアピールすれば良いというものではない、ここは緊張感の無さを露呈したと」

政府与党内の受け止めも様々です。

与党幹部
「慣例だから、ああいうものをあげるのは政治家として当たり前で、わざわざ追及する話ではない」

政権幹部
「『対ロシア』という意味では不適切だよな」

こうした中、今回のウクライナ訪問について事前に知っていたのは10人に満たず、直前のインド外遊に同行した総理秘書官も半数が知らなかったことがわかりました。

複数の政府関係者が明らかにしたもので、同行者は全員、ポーランド入りした段階で携帯電話の電源を切り、位置情報が探知されないようにしていました。

岸田総理
「安全対策・危機管理対策・情報管理等について、万全を期して所要の対処を施した上で移動に臨んだ」

ただ、野党側は移動中の様子がメディアに撮影されたことなどから、「事実上、丸裸と言われても仕方ない」などと批判しています。