検察の特別抗告断念により、再審開始が確定した袴田巖さん(87)。一夜明けた3月21日、袴田さんと姉のひで子さん(90)は支援者への報告会に参加しました。
袴田巖さんと握手を交わしたのは、20年以上袴田さんを弁護してきた西嶋勝彦弁護団長。逮捕から57年、大きな転機を迎えた再審開始決定から一夜明け、袴田さんと姉のひで子さんは支援者130人が集まる報告会に参加しました。
<袴田巖さんの姉 ひで子さん>
「再審開始になって最高裁からも手紙が来て、『もう安心だよ」と(巖さんに)言って、慰めではありませんが、真実を伝えている」
その知らせは、3月20日夕方に届きました。
<支援者>
「検察が抗告断念するって」
<袴田ひで子さん>
「あっ、そう!」
<支援者>
「やったじゃーん」
いわゆる「袴田事件」をめぐり、東京高裁は3月13日、死刑が確定していた袴田巖さんの再審開始を決定。そして、20日、東京高検は「承服しがたい点があるものの、申し立ての理由があるとの判断に至らなかった」として、特別抗告しないことを明らかにしました。
<巖さんに説明するひで子さん>
「いまね、ニュースが入って検察が特別抗告を断念したって。あんたは無罪。よかった、よかった、本当に。あんたの言うとおりになった。57年間闘ってきただもんね」
これにより、静岡地裁でやり直しの裁判が始まることが確定し、袴田さんは無罪となる公算が大きくなりました。
再審開始決定の決め手となった「みそ漬け実験」を主導してきたのは支援者たち。弟の無実を半世紀以上信じて闘ってきた姉のひで子さんは、会場に集まった支援者と弁護団に感謝を伝えました。
<ひで子さん>
「長いお付き合いでございましたが、本当にありがとうございます。もうしばらくお付き合いをお願いいたします。本当にうれしい、ありがとうございました」
<袴田巖さん>
「このたび、最高裁長官になり、頑張っております。戦いはたくさんあるということで」
袴田さんは死刑執行の恐怖と48年間に及ぶ拘留によって、精神的に不安定な状況が続く「拘禁症状」といまも闘っています。半世紀以上の時を経て、無罪を告げられる公算が大きくなった袴田さん。しかし、失われた時間が戻ってくることはありません。
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