米の金融不安がクレディ・スイスに飛び火

アメリカは必死で抑えているが、ヨーロッパの銀行に飛び火した。クレディ・スイスだ。世界有数の金融機関クレディ・スイスは15日、中央銀行であるスイス国立銀行から最大で500億スイスフラン、日本円で7兆1000億円を調達すると発表した。
――アメリカの破綻した中堅銀行とは比較にならない巨大銀行だ。
第一生命経済研究所 熊野英生氏:
巨大すぎると言ってもいいかもしれません。アメリカの金融機関は全額保護でなんとか封印できます。これは預金の世界です。投資銀行は社債を発行していますから、預金保護では救えない。しかもCDSという社債の保険のような保険料が急激に上がっているので、これは救いようもない。だから、大きすぎて救えないという問題が発生するのだと思います。
――問題の本質が違う。アメリカの銀行は資金繰りが苦しくなって倒れた。ここは経営不安そのものだ。
第一生命経済研究所 熊野英生氏:
2021年にアルケゴスという投資ファンドが破綻した時の損失が特に大きかった金融機関なのですが、22年に騒がれて一旦沈静化しているので、通り過ぎた問題ではないかと思っていたのですが、世界全体の投資の免疫力が下がったために弱いところに注目が集まったというシステム問題になってきているのです。
――スイスの金融最大手のUBSとの統合を模索する動きが始まったという報道があった。
第一生命経済研究所 熊野英生氏:
スイスという国の特殊性もあって、金融に特化している。合併、吸収、国有化という荒技を使うしかないところに追い詰められているのだと思います。
(BS-TBS『Bizスクエア』 3月18日放送より)