ワールドベースボールクラシック・準決勝に進出した侍ジャパン。チェコ共和国代表の帽子をかぶってマイアミ入りした大谷翔平選手の姿は、「チェコ・リスペクト」と世界でも話題になりました。大谷選手を魅了したチェコ代表は、どんなチームだったのでしょうか?

スポーツマンシップ溢れるWBC・チェコ代表

試合に敗れても笑顔で相手チームにエールを送ったり、監督は選手交代の際に帽子を取って選手に一礼したりと、とにかく礼儀正しいチェコ代表。スポーツマンシップ溢れる行動に、日本でも多くの人が虜になりました。

とくに印象的だったのが、3月11日に行われた日本の1次ラウンド第3戦。佐々木朗希投手の剛速球が膝に当たり、デッドボールとなったエスカラ選手はプレーの続行が心配されましたが、足を痛めながらも即座に全力ダッシュ!その姿に日本を応援する観客からは大きな拍手が送られました。

大谷もコメント「対戦相手としてのリスペクトを感じた」

どんなときも、とにかく野球を楽しそうにプレーする姿に大谷選手も会見でコメント。

●侍ジャパン・大谷翔平選手
「一番は野球を好きなんだなというのが一番ですかね。顔つきを見ても分かりますけど、ゲームをやりながら。そこがレベルうんぬん関係なく、やっぱ好きなんだなというのは尊敬できるところでもありますし、野球に関係なくスポーツ選手として試合を一緒に作っていく対戦相手としてのリスペクトを感じましたし、素晴らしい選手たちだったなと思いました」

野球愛に溢れるチェコ代表 選手の素顔は

ファンを大切にし、野球愛に溢れるチェコ代表とはどんな選手たちなのか?番組は帰国したばかりの選手たちを取材しました。

チェコで野球といえば競技人口8000人程度といわれ、まだまだマイナーなスポーツ。そのため野球以外の仕事と掛け持ちしながら「リアル二刀流」として大会に臨んだ選手がほとんどです。

サードを守ったスモラ選手は、試合中に大谷選手にユニフォームを「おねだり」したのではないかと話題になりました。帰国後の生活について話を聞いてみると。

●チェコ代表 フィリップ・スモラ選手
「帰国した次の日には出社しました」

なんと、帰国した翌日から仕事だったといいます。普段は「監査役」の仕事をしていて、WBCは2週間の有給休暇を使って参加したそうです。

だからこそ、野球をとにかく楽しもうとプレーに臨んだと話します。

●スモラ選手
「日本と対戦した時の満員の東京ドームの光景は、私だけではなく全員が忘れられない経験でした。」

チェコで行われる試合で観客は多くても200人程度。だからこそ大切にしていることもあるそうです。

●スモラ選手
「私たちにとって、それでも大切なファンなんです。だから試合の後には必ず会いに来てくれたことに感謝して、すべてのファンに拍手をするんです。私たちにとっては普通のことです」