中東・シリアの内戦が始まってから12年がたちました。先月の大地震以降、アサド政権と周辺諸国との関係改善も指摘されるなか、反体制派地域では政権の退陣を求める大規模なデモが行われました。

15日、北西部の反体制派の最後の拠点・イドリブ県の中心都市イドリブ市では、数千人がアサド大統領の退陣を求めて声をあげました。AP通信は、市の中心部でのデモとしてはここ数年で最大規模だと伝えています。

シリアでは2011年3月15日、中東の民主化運動「アラブの春」の影響で反政府デモが各地に波及しましたが、アサド政権が弾圧。内戦に発展し、混乱のなかで過激派組織「イスラム国」が台頭したり、ロシアやトルコが介入するなどして情勢は複雑化しました。

イギリスに拠点を置く人権団体「シリア人権監視団」によると、内戦による死者はおよそ61万4000人、家を追われた人は1300万人にのぼっています。

アサド政権と周辺のアラブ諸国との関係は内戦で冷え込んでいましたが、先月の大地震に対する支援を機に接近しているとも指摘されています。

イドリブ市でのデモ参加者は「政権は地震を利用しようとしている」「周辺国がどんなに関係正常化を探ろうと我々は声をあげ続ける」と非難。地震ではシリア国内で6000人以上が死亡したとされますが、参加者は「政権がしたことに比べれば、バケツの水の中の1滴にもならない」と話していました。