東京高裁が3月13日、袴田巖さん(87)の再審=裁判のやり直しを認める決定を示したいわゆる「袴田事件」。再審の審理も普通の裁判と同じく、最高裁までありますので、検察側には再び抗告する権利があります。東京高裁裁判長も務めた事もある元裁判官に話を聞いたところ、今回は「検察も特別抗告が難しいのではないか」と予想しました。
決定後、袴田さんの弁護団は東京高検に対し、特別抗告をしないよう求める申し入れ書を提出しました。検察側には、東京高裁の「再審開始」の決定を不服として、特別抗告をする権利があります。検察が特別抗告をすれば、再び最高裁に舞台が移り、審理にさらなる時間が掛かるのは確実です。
<袴田事件弁護団 小川秀世事務局長>
「犯行着衣であるかどうか、あともう証拠がない。検察はもう何も言えない。特別抗告の申し立て書を書くことができないと思う」
裁判官として、30件以上の無罪判決を確定させ、映画やドラマのモデルにもなったといわれる木谷明さんは今後の検察の動きについて。
<元東京高裁裁判官・木谷明弁護士>
Q.検察は特別抗告すると思うか?しないと思うか?
「私は今回はさすがの検察も特別抗告できないんじゃないかと予測している」
Q.どういう理由か?
「この前の最高裁で検察の言い分は否定されている。ただ、少し審理が足りないからと戻している。審理した結果、やはり検察の主張は認められないとなったわけなので、これをさらにもう一回、最高裁に持っていっても勝つ可能性がないし、そんなことをすれば、検察の権力の乱用であると非難されても仕方がないと思う」
検察が期限の3月20日までに特別抗告すれば、審理の場は最高裁に。特別抗告をしなければ、静岡地裁で再審が開始されます。
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