アメリカ映画界の最高峰「アカデミー賞」の授賞式が12日、ロサンゼルスで行われ、ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に迫った映画「ナワリヌイ」が長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。

「ナワリヌイ」は、ロシアの反体制派指導者のナワリヌイ氏が2020年に毒物で襲撃されたとみられる事件を追ったドキュメンタリー映画です。

アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞し、登壇したダニエル・ロアー監督は「この賞をナワリヌイ氏と世界の政治犯にささげたい」と述べたうえで、ロシアで服役中のナワリヌイ氏に向けて「独裁者や権威主義に逆らうことを恐れてはならないという、あなたの大切なメッセージを世界は忘れていません」と呼びかけました。

また、ナワリヌイ氏の妻ユリアさんも授賞式に出席し、壇上で「ナワリヌイ氏の釈放と、私たちの国が自由になる日を夢見ています」と述べました。

一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は13日、作品について「見ていないので何か言うのは論理的ではない」としながらも、「この話題には政治的な要素があるのではないか」と述べ、受賞には政治的な背景があるとの見方を示しました。