2016年以降断交していた中東イランとサウジアラビアが、中国による仲介で外交関係を正常化させることで合意しました。
イラン国営通信によりますと、中国・北京で会談を行った両国の代表団は外交関係を正常化させ、お互いの国で大使館を2か月以内に再開させることで合意したということです。サウジ国営メディアもこれについて報じていて、それぞれの主権を重んじ、内政不干渉のために両国の外相会談を行うことで合意したと伝えています。
両国の関係をめぐっては、2016年にサウジが国内のイスラム教シーア派宗教指導者を処刑し緊張が高まった後、イランの首都テヘランにあるサウジ大使館が襲撃されたことで断交していました。
両国は中東イエメンの内戦でも対立。反体制派シーア派武装組織「フーシ派」を支援するイランとイエメン暫定政府側の連合軍を率いるサウジとの衝突は戦闘を泥沼化させていて、2300万人以上の人々が支援に頼らないと生きることができないという深刻な人道危機を招いています。今回の国交正常化がイエメン情勢を好転させられるかが大きな焦点となります。
イランとサウジを仲介した中国の外交トップ・王毅政治局員は両国の外交再開について、「対話と協議を通じて国家間の紛争や相違を解決する模範となった」と強調しました。また、「今回の北京での会談は両国関係の新たなページを開いた。中国は引き続き建設的な役割を果たすことを望んでいる」と自信を見せました。
これに対し、イランとサウジの代表は「中国が対話を支援し成功を促進したことに感謝し、建設的な対話を続け、得られた合意を履行して相互関係の改善を継続する意志を表明した」ということです。
アメリカやイスラエルなどがイランの包囲網を築く中、サウジアラビアとの関係改善を実現させたことで、中国が今後、中東での存在感を増す可能性があります。
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