■カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール チェコ共和国代表 8ー5 中国代表(10日・東京ドーム)

侍ジャパンと同じプールBでダークホース的な存在である初出場のチェコ共和国が10日、初戦を迎え中国代表と対戦。9回、6番打者に逆転3ランが飛び出し、WBC初勝利を収めた。

普段は他の仕事を持つ選手が多い異色の集団、チェコ共和国代表。そのため、全員で集まる機会が限られ、集まった際も2時間ほどしか練習が行えないという。悲願のWBC本戦出場を果たしたチェコ共和国は1回、先頭打者のV.メンシーク(24)が1球目をレフト前ヒット、WBCで記念すべきチーム初ヒットが生まれた。続く2番・E.ソガード(36)は元カブスでメジャー経験者。ライト前ヒットでチャンスを広げた。相手のエラーで1点を先制すると1死満塁で6番・指名打者のM.ムジーク(26)が打席に。国内リーグ歴代5位のホームラン数を誇るパワーヒッターがライトへ犠牲フライを放ち2対0とリードした。

3回、1番のV.メンシークの兄で普段は“スポーツマネジャー”をしている6番のM.メンシーク(30)が高めのボールを叩くとレフトスタンド最前列に飛び込むソロホームランで3対1。チェコ共和国のWBC初アーチが生まれベンチも大盛り上がりとなった。

その裏、チェコは1死一塁の場面で強烈なゴロを、普段は“金融アナリスト”として働くファースト・P.ジーマ(33)が柔らかいグラブさばきでダブルプレー。ガッツポーズでベンチのチームメイトの元に走っていった。

4回には1死一塁で今度はショートのV.メンシークがハーフライナーをショートバウンドでキャッチしダブルプレー。5回、1死満塁ではセンターに抜けそうな打球をダイビングキャッチして二塁をアウトにし、最少失点に留める守備の上手さも見せた。

6回、1死三塁で普段は“会社の監査役”をしている9番のF.スモラ(25)がレフト前のタイムリーで4対1、しっかり中押し点を奪いリードを広げた。

7回裏、チェコ共和国は3人目のM.コバラ(19)が中国打線につかまり3失点、4対4の同点に追いつかれると、4人目の“不動産の起業家”M.ミナリク(29)が1死一、三塁からピッチャー内野安打で5対4と勝ち越しを許してしまった。

9回、チェコは1死二、三塁で6番・ムジーク。1球目を完璧に捉えレフトポール際に起死回生のスリーラン、7対5と逆転した。

WBC初出場で大逆転の初勝利を収めたチェコ、球史に新たなページを加えたチームが勢いそのままに11日、侍ジャパンと対戦する。