アメリカ・バイデン政権は、10月から始まる新たな会計年度の予算教書を発表しました。「中国に打ち勝つため」として国防費を増加させるとともに、膨らむ一方の財政赤字の削減策も打ち出しています。

アメリカ バイデン大統領
「私の予算は軍事や防衛に対する強力な投資だ。財政赤字を減らすことで雇用創出の費用を賄える」

予算教書では「中国に打ち勝つための新たな投資」と明記し、軍事拡大を進める中国に対抗するため、国防費を3.3%増やして要求。子育て支援なども拡充し、歳出総額は8%増える内容です。

一方、富裕層への増税や社会保障負担の引き上げなどで今後10年間で財政赤字を410兆円削減する方針を打ち出しました。

ただ、予算編成権を持つ議会下院で多数を握る野党・共和党は、歳出の削減で財政を改善するよう強く求めていて、予算をめぐる基本的な考えには大きな隔たりがあります。

共和党は政権側の譲歩が得られなければ、「政府が借金できる額の上限の引き上げ」に応じない姿勢を示していて、今後、予算案をめぐって与野党の戦いが繰り広げられることになります。