鹿児島県奄美大島では来月4月から飼い猫の「室内飼い」を促すため、猫用の「マイナンバーカード」を発行する取り組みを始めます。

奄美大島の5つの市町村は来月4月から、方言で猫を意味する「まや」と「マイナンバーカード」をかけた「まやにゃんバーカード」を発行します。

「まやにゃんバーカード」は飼い猫の公的な身分証明書となるカードで、飼い主の名前のほか、飼い猫の写真、模様、名前、それに性格などが記載されます。

カードを発行するためには、▼マイクロチップの装着、▼避妊去勢の実施、▼完全室内飼いなどの条件を満たす必要がありますが、カードの所有者にはペット用品の抽選会や優良飼い主として表彰をするなどの特典を検討しているということです。

奄美市世界自然遺産課・平田博行課長は「猫の外飼いには交通事故など様々なリスクがあります。このカードを所有していただいて、猫の適正飼育につなげてほしいです」と話しています。

こうした取り組みの背景には、奄美大島で野生化した猫が絶滅危惧種のアマミノクロウサギやアマミトゲネズミなどの野生動物を襲うケースが相次いでいるという実情があります。

そのため、奄美大島では2018年から外にいる猫の捕獲活動や飼い猫の室内飼いの推奨を行っていて、この活動によって、野生動物の生息数が増加した上、猫の交通事故の件数が10分の1以下に減るなどの効果が出ているということです。

奄美大島は、「まやにゃんバーカード」の新たな取り組みでさらに猫の室内飼いを促し、野生動物を守りながら飼い猫により深く愛情を持って欲しいとしています。