柔道で五輪連覇を果たした大野将平(31)が7日、会見を開き、指導者としてイギリスへ留学すると発表した。大野は「東京五輪の2連覇以上の成功体験はない」と話し、パリ五輪については目指さないと明言した。
大野は来年度、JOCの指導者派遣制度でイギリスに2年間留学する予定。引退はせず、プレイングコーチとして、選手の育成にあたる。柔道では過去に全日本男子前監督の井上康生氏も、この研修制度で留学している。
留学先にヨーロッパを選んだ理由については「人気や熱量」を挙げる。「日本柔道はオリンピックの金メダルまたは世界チャンピオン、そういったものが当たり前で、そのハードルの高さっていうのをやりがいに競技生活を送ってきた反面、評価されない切なさを感じてきた。ヨーロッパの国際大会の盛り上がりの裏側といいますか、運営だったり、実際に現地に行ってみないとわからないことってのもたくさんあると思いますのでそういったことも、行って聞きたいなと。そしていずれは柔道として国際的な人材になれるように精進していきたい」と話した。
五輪では連覇を果たした大野。「東京五輪の2連覇以上の成功体験はない。自国開催で連覇できたってことは、自分の人生において一番の誉れ。日本柔道を世界に表現、体現できたという自負は持てる」。日本人では斉藤仁さんや、野村忠宏さんに続く、男子史上4人目の快挙だった。パリ五輪で3連覇の期待もあったが「東京五輪を終えて1年間休んだが心のそこからは休めていなかった。73㎏級で10年間戦ってきたが、戦いたい選手がいなくなったことが大きく、心燃える大会が出てこなかったことも正直ある」と自身の葛藤を述べた。
後輩たちに向けて「武道とスポーツの違いを理解して畳の上に立ってほしい。スポーツ選手でもあり、アスリートでもあり、ですがあくまでも柔道家でありたいなと、私は常日頃から思っていました。柔道のルーツは生きるか死ぬか、命を懸けたところにある。命を懸ける覚悟がないとなかなか金メダルは取れない。そこまでやる必要があるのかという疑問も有るかと思うが、それくらいの心づもりをしてぜひ畳の上に上がってほしい」と話した。
■大野将平(おおの・しょうへい)
1992年2月3日生まれ、31歳。山口県出身、170cm、73kg級。天理大出身、旭化成所属。世界選手権(2013年、2015年、2019)優勝。五輪(2016年リオ五輪、2021年東京五輪)金メダル。アジア大会(2018年ジャカルタ)金メダル。














