史上最年少の六冠に王手をかけていた、将棋の藤井聡太五冠。5日の棋王戦第3局で敗れ、記録達成は持ち越しに。地元、愛知県瀬戸市では次への期待の声が聞かれました。
5日新潟市で行われた棋王戦五番勝負第3局。藤井五冠は棋王10連覇中の渡辺二冠にここまで2勝です。勝てばタイトル獲得、最年少での六冠達成です。
藤井五冠の地元愛知県瀬戸市では。
(CBC清水那美記者)
「六冠達成を祝おうと、早くもくす玉が用意されています」


商店街ではおなじみのシャッター上の大盤解説も行われ、多くの将棋ファンが対局を見守りました。
(岐阜県恵那市から来た藤井聡太さんファンの女性)
「勝利を願っています」
(名古屋から来た将棋ファンの男性)
「渡辺二冠は強いですけど、相性がいいので、5日(棋王のタイトル獲得を)決めてほしいです」

また瀬戸市文化センターでは、パブリックビューイングも行われ、地元一丸となって応援です。
(瀬戸市民)
「プロになられてから本当に早く六冠というところまできたので、瀬戸の宝だと思っています」

(瀬戸市民)
「こういうの(手作りの応援カード)を作って観戦しようかなと」
「頑張れ聡太くん!」

しかし期待とは裏腹。渡辺二冠が徐々にリードを広げ、藤井五冠は劣勢に。

でもそこで終わらないのが藤井五冠。
(ファン)
「えー!本当?」「(くす玉の)ひもを用意しておかないと」
最終盤に藤井五冠は大逆転のチャンスをつかみます。

ところが…
(ファン)
「えっ?えっ?」「間違えた?」「うそ?」「ちょっ?」

藤井五冠…大逆転のチャンスを痛恨のミスで逃し174手で投了。

その瞬間、地元瀬戸では。
(ファン)
「あー負けた…」
「こんな将棋見たことがない。まれに見る激闘ですね。渡辺二冠の執念を感じました。見ごたえはあったが、最後に(藤井五冠が)勝ってくれたら一番よかったんですけど」
(瀬戸市民)「勝てるところを逃しちゃったなという勝負だったので、ちょっと残念な結果ですね。六冠はいずれ達成されると思いますし、それを信じて応援を続けていきたいと思います」

六冠達成は持ち越しとなりました。
(藤井五冠)「最後にチャンスが(あったので)そこは少し残念ではあるんですけど、全体的に負けの局面が続いていたので仕方ないのかなと。また切り替えていい状態で臨めるようにできれば」

ちなみに、この大一番の藤井五冠の勝負めしは10種類の海の幸が乗った海鮮丼「海の幸重」。
おやつは、新潟ブランドの苺「越後姫」が乗ったケーキ、「苺のホワイトガトー」でした。


棋王戦第4局は3月19日、栃木県で行われます。
その前に、藤井五冠は、あさって8日には広瀬章人八段と「名人」挑戦権をかけてプレーオフ。さらに、11日からは初防衛に王手をかけた大一番、王将戦第6局で羽生善治九段と対局します。


正念場が続く藤井五冠の快進撃に期待です。