ネコとマタタビの関係について研究している岩手大学の大学院生がアメリカ科学振興協会の最大規模の学会で最優秀発表賞を受賞し、2日、盛岡市で報告の記者会見が行われました。

 国際的な学会で最優秀発表賞を受賞したのは岩手大学連合農学研究科博士課程1年の上野山怜子さん(24)です。
 上野山さんが研究成果を発表したのはオンラインで行われたアメリカ科学振興協会が主催する今年の国際学会です。審査の結果、生化学・分子生物学分野の大学院生部門で最優秀発表賞に輝きました。
 去年の一次審査を通過し二次審査で最終候補の3人に残った上野山さんは今年1月にオンラインで研究成果を英語で発表しました。日本の学生がこの賞を受賞したのは過去10年で上野山さんただ1人です。
 上野山さんは植物のマタタビに含まれる成分を解析し、「ネペタラクトール」の成分に蚊を遠ざける効果があることなどを解明しました。そしてネコがマタタビの成分を体につけることで蚊に刺されにくくなることも紹介しました。今後は人や家畜の虫よけなどへの活用も期待されています。

(上野山怜子さん)
「今後の一番の疑問というのは、なぜネコ科動物だけがマタタビに反応するのか。人とか犬とかはなんでしないのかということだと考えています。その疑問を解決するためにマタタビ反応が起きるメカニズムという所をもっとしっかり調べて明らかにしていきたいなと考えております」

 今回の受賞結果はアメリカの科学誌「サイエンス」の誌面でも紹介されました。