審査開始から9年、北陸電力・志賀原発2号機の安全性を審査する原子力規制委員会の会合が開かれ敷地内の断層10本について「活動性はない」と評価しました。審査会合は今後、建屋の耐震性などを調べる次のステージへ移行します。
志賀原発2号機を巡っては、原子炉建屋の直下を含む敷地内の10本の断層が活断層かどうかが焦点となっていて原子力規制委員会が現地調査などを行い北電側にデータの提出を求めてきました。
一方、北電側は断層を横断する鉱物脈から最新の活動年代を調べる鉱物脈法などを用いたデータに基づき一貫して敷地内に活断層はないと主張。きょうの審査会合では敷地内の断層はいずれも将来活動する可能性はなく震源として考慮する活断層はないと結論づけ規制委員会もこれを評価しました。
敷地内断層については2016年の有識者の評価書でS─1断層、S─2・S─6断層が将来の活動性を否定できないと結論づけられていました。しかし、当時は決定的にデータが不足していたと、有識者として評価を下した石渡委員は話します。
石渡委員:「その時点では鉱物脈法のデータはひとつも出てなかったんですね。その後、御社が鋭意調査をしていただいて膨大なデータが出されて、それに基づいて評価をし直したところ、将来活動する可能性のある断層ではないというふうに判断ができるような証拠がたくさん得られた」
規制委員会の評価を受け北陸電力は「審査結果は地元の皆さまの安心にもつながるものであり、再稼働に向けた審査のステップとして大きな一歩と受け止めています」とコメントしています。
新田八朗富山県知事は「原子力発電所の安全確保・再稼働については、法律上の権限と責任を有する国において、専門家による様々な科学的調査・分析、十分な検証等を行った上で総合的に判断いただくことが重要である」とのコメントを出しています。
一方、市の面積の3分の2がUPZ(原子力施設からおおむね半径30キロ圏内で緊急防護措置を準備する区域)となる氷見市の林正之市長は「今後、北陸電力には、しっかりと対応していただきたいと考えております。市民の安全安心のための安全協定の締結が非常に重要であることから、引き続き富山県とともに、立地自治体と同等の安全が確保されるための安全協定の締結に向けた協議の再開を求めていきたいと考えています」とコメントを出しています。
9年前の2014年に始まった審査会合。今後は敷地外断層の調査や耐震設計の基準となる基準地震動の策定など次の段階に進む予定です。














