震災の発生から12年となるのを前に、仙台空港に、津波で被災しながらも復活したピアノが設置されています。誰でも弾くことができ、訪れた人が思い思いの音色を響かせています。

仙台空港の1階ロビーに設置されたグランドピアノ。これは、震災で10メートルを超える津波に襲われた宮城県七ヶ浜町で、津波に流されたものの修復されてよみがえった「復興ピアノ」です。

所有者は、ピアノ講師の櫻井由美さん。震災について考えるきっかけになってもらえればと、ピアノの屋根や鍵盤についた多くの傷はそのまま残しています。

設置初日の1日は、多くの人が足を止めピアノの音色に聞き入っていました。

演奏を聴いた人:
「よかったですね。本当に優しい音色で。感激しました」


「外国から来る人にとっても日本の各地方から来る人にとっても大変意味合いのある場所に置かれたと思う。みんなに弾き継がれて、そして震災のこともその時、思い出すようなピアノになってほしいと思う」

ピアノ所有者 櫻井由美さん:
「受け取る形はいろいろでも、震災のことをちょっとでも思い出してもらえたらいいなと思う気持ちで、毎年ここに置いている」

また、この「復興空港ピアノ」は誰でも自由に演奏することができ、さっそく音色を奏でる人の姿が見られました。

演奏した人:
「音楽の力は変わらないというか、どんな時でも人を勇気づけることができるなと弾いてみて改めて思った」

この「復興空港ピアノ」は3月12日まで仙台空港に設置されています。