3月を迎え、岡山・香川の多くの高校で卒業式が行われました。文部科学省が「マスクなしを容認」し、コロナ禍に一筋の光が差し込む中での式典。青春の3年間を新型コロナとともに過ごした今年の卒業生たちは、様々な思いを胸に新たな門出に向けて学び舎に別れを告げました。

(卒業生の答辞)「振り返ってみれば制限の多い3年間でしたが、その中で一回り成長できたと思います」

岡山市中区の、県立岡山城東高校です。3年生314人が卒業式に臨みました。
国は、今年の卒業式について「基本的にマスクなし」を容認する方針を示しています。生徒の多くのが大学受験を控えているなか、岡山城東高校では保護者らに理解を得た上で、式では出席者全員のマスク着用を決めました。

(卒業生)「入学してすぐ、クラスメイトの顔も分からないような状態のまま休校になってしまい、友人との交流もできず、出された課題を自宅で淡々とこなす毎日でした」

「蛍の光」もマスク着用で歌います。コロナ禍の3年間を過ごした卒業生たち。入学当初から課外活動が中止になったほか、時差通学、修学旅行の延期など、多くの壁を乗り越えてきました。

(卒業生)「今までずっとマスクだったので、クラス写真の時に全員の素顔を見て、これ誰だろうていう時もありましたね。思い描いていたキラキラの高校生活とは違ったと思いますけど素敵な3年間でした」
「受験の最中なので、マスク着用は仕方がない。色々な規制があった学校生活でしたが、みんな色々工夫して楽しめたと思います」

新型コロナに翻弄された学校生活。卒業生たちの多くは、大きく成長できた3年間だったと笑顔を見せ、学び舎を後にしました。

(スタジオ)
VTRにもあったように、国は2月10日付で「児童・生徒や教職員は、卒業式でマスクを着用せずに出席することを基本とする」方針を出していました。
その上で岡山県教育委員会は「どのような方針で実施するのか、生徒や保護者に丁寧な説明を行うこと」、また香川県教育委員会では「個人の判断に委ねる」との考えを示していました。
その中で行われた今回の卒業式です。取材では「生徒から様々な意見を聞いた」「受験前であることを考慮したなど」検討に検討を重ねた上での判断だったように思われました。

一方で、政府は3月13日以降「マスクの着用について、個人の選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる」とする方針を示していて、2週間後には私たち一人一人が判断を求められることになります。