南海トラフ地震が1週間以内に連続して発生する確率は、通常時と比べて99倍から3600倍に高まることが東北大学などの研究チームの調べで分かりました。あまり間を置かず、連続して発生する恐れもあり、普段からの備えが大切だと指摘しています。
<東北大学災害科学国際研究所 福島洋准教授>
「過去6回のうち、少なくとも2回は確実に時間差をおいて巨大地震が連発した。多く見積もると、6回中4回という形になります」
東北大学災害科学国際研究所で地震発生の物理について研究する福島洋准教授です。福島准教授などのグループは、南海トラフ地震が発生した後、後に続く地震=後発地震の発生確率が急激に高まること分析し、2023年初め、イギリスの科学誌ネイチャーに発表しました。
南海トラフ地震の想定震源域は、静岡から九州の沖まで広がっています。東西に長い震源域の東側、または西側でマグニチュード8.0以上の地震が起きる「半割れ」が発生した後、残った片側でも巨大地震が連続発生する確率はどれくらい高まるのか。過去の南海トラフ地震や世界の地震統計データから分析しました。
<東北大学災害科学国際研究所 福島洋准教授>
「直後は傾きが急に上がっています。これが最初の地震が発生した後に、ぐっと確率が上がることを示しています。目安の1週間以内だと普段の99倍から3600倍に高まっているというような数字になっています。これは相当高いといえると思います」
国は、後に続く地震への警戒や注意などを呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」の仕組みを2019年に導入しています。臨時情報が発表できれば、被害を減らせる可能性があります。東北大の福島准教授は、より有効に活用するためにも普段からの備えが重要だと指摘します。
<東北大学災害科学国際研究所 福島洋准教授>
「臨時情報で1週間対応してくださいということなんですけれども、1日以内に発生してしまう場合の方がその後に発生する場合に比べて高い。臨時情報が出て、その対応態勢をとるまでに時間を使うと、結局、何もできないで終わってしまう可能性も考えられるので事前に考えておいて、それに従って行動する。非常に混乱が発生すると思いますが、普段から考えておくことで、落ち着いて行動できるようになることがが非常に大事だと思っています」
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