政府が最重要政策と位置づける「異次元の少子化対策」。1人の保育士が担当する子どもの数を定めた配置基準を改善する方向で調整に入ったことが分かりました。
立憲民主党 西村智奈美 代表代行
「保育の充実は10年以上たなざらしなんですよ。それなのに何でトマホークはこんなに急いで巨額を投じるという予算になったんですか」
岸田総理
「この子ども・子育て予算、そして防衛力の強化。これはどっちを優先させるというものではないと考えています」
きょうの国会で野党側が追及したのが少子化対策で、1人の保育士が担当する子どもの数の上限を定めた“配置基準”です。
立憲民主党 西村智奈美 代表代行
「(保育士の)配置基準の見直しは、優先順位が低いから後回しになってきたということだと受け止めざるを得ない」
岸田総理
「これから政策のパッケージを示す中で、政府としてもしっかり考えていく」
さいたま市内にある保育園。1歳児のクラスでは、12人の園児を3人の保育士が担当しています。散歩に出ようとすると、いたるところから泣き声が。
記者
「けっこう戦場というか…」
保育士
「そうです」
現在の配置基準は、保育士1人につき1・2歳児は6人、4・5歳は30人などの上限が定められています。しかし、保育士らの団体はこのままでは十分な保育ができないと訴えます。
全国保育推進連盟 吉岡伸太郎 幹事長
「3月の取りまとめまでにしっかりとした職員配置の改善であったり、処遇改善に対する道筋がつかないと非常に厳しい」
こうした声を受け、政府が保育士の配置基準を改善する方向で調整に入ったことが関係者への取材で分かりました。あす、加藤・小倉両大臣も保育士団体と面会し、直接意見を聞く予定です。
2023年度予算案は午後、衆議院を通過しました。衆議院では政権が掲げる「異次元の少子化対策」の具体策はほとんど語られないままでしたが、参議院では充実した議論が行われるでしょうか。
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