4年ぶりに「かき祭り」も復活した岡山県備前市の日生地区に、先日、多くのダイバーが集まりました。豊かな海を受け継ぐため続けられているプロジェクト。取材班が水中撮影可能なカメラとともに同行しました。


ダイバーが手にしているのは、等間隔で苗を植え付けるための道具です。

ひとつひとつ海底に植え付けているのは稲ではなく、「海のゆりかご」と呼ばれるアマモです。


備前市の頭島漁港にダイビングスクールのダイバーらが集まり、子どもたちがペットボトルなどで育てたアマモを港に持ち込みました。


(エポックダイブサービス 流昌弘さん)「これが立派に育つと、ここに魚たちが育つ環境ができるので、どんどん魚が増えてくるんですね」


カキなどの海産物で有名な日生地区では、10年前から子どもたちと沿岸部の開発で減少したアマモの再生に取り組んでいます。

「楽しかった。生き物がいっぱい増えるのが」

魚の産卵場所や隠れ家となり、豊かな海をつくるのが、アマモの「海のゆりかご」たる所以です。子どもたちが学校で大事に育てたペットボトル入りのアマモを、ダイバーがボートに積み込みました。


向かったのは鹿久居島(かくいじま)南側の入り江です。これまでの活動が少しずつ実を結び始め、海底にはアマモの姿が。


約1時間半で子どもたちから預かった150本近くのアマモの苗が植えつけられ、6月ごろには2メートル近くまで成長するといいます。

(NPO法人 里海づくり研究会 議田中丈裕事務局長)「海がもっと豊かになるように、『海のゆりかご』と言われるアマモを子どもたちも含めてみんなで育てていこうと」

夏ごろには、海底に稚魚を守る青々としたアマモ場ができるということで、団体では今後も地域みんなでアマモの再生に取り組んでいきたいと話しています。