富山県魚津市の港で、トゲに毒がある危険なウニの生息が確認されました。
海水温上昇で育ったとみられますが、トゲの長さが20センチにもなり、刺さると折れて抜けなくなるということです。
富山県魚津市の魚津水族館によりますと、去年12月と今年1月、2月に魚津補助港で潜水調査をしたところ、水深2メートルから4メートルの地点で、とげに毒があるウニ「ガンガゼ」と「アラサキガンガゼ」が生息しているのを確認しました。
「ガンガゼ」が富山県で確認されるのは初めてで、合わせて6匹がいたということです。
「アラサキガンガゼ」は2019年と2021年に1匹から2匹確認されていましたが、冬の低水温に耐えられず死滅したとみられていました。しかし今回、50匹以上確認されたということです。
ガンガゼ類は生息できるのは海水温が10度前後といわれていますが、今年1月と2月の海水温は10度から11度で、例年より1,2度高くなっていて、越冬する個体も出る可能性があるということです。

トゲの長さは、冬を越すと最大で20センチになるということです。また、トゲは先端が鋭く、人間の皮膚に触れただけで簡単に刺さるうえ、折れやすく先端部が皮膚の中に残ってしまうということです。
さらにトゲには毒があり、刺された部分は激しく痛むということで、魚津水族館は「富山湾全域で発見される可能性もある」として、注意を呼びかけています。
ガンガゼ類は、雑食性で岩の表面の海草が食べられて、磯焼けの原因の1つとなっています。九州の一部では、食用にしている地域もありますが、苦味が強く一般的には食べないということです。