宮城県議会2月定例会では、仙台医療圏の4病院再編構想を巡る論戦が本格化しました。仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合した名取市の新病院に精神科外来機能を設置する協議を進める理由について、村井知事は「患者や家族の不安軽減」を挙げました。
村井知事:
「県立精神医療センターに通院している患者や家族の不安の軽減につながるよう、名取市の新病院への精神科外来機能の設置についての協議を進めることにした」
これは、24日の県議会本会議で自民党・県民会議の中山耕一幹事長の代表質問に対し、答弁したものです。
村井知事は2月20日、仙台赤十字病院と東北労災病院、それぞれの設置者と具体的な新病院整備の方向性の協議を継続することを確認する文書を取り交わしています。この中で仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合した名取市の新病院について精神科外来機能の設置に向け協議を進めることが盛り込まれています。

村井知事は、「精神医療センターの建て替えは喫緊の課題だが、名取市近隣では適地がない」と指摘し、富谷市への移転については「将来に向けて各地域でどのような地域包括ケアシステムを実現できるか検討することは必要」と述べました。
一方、23日仙台で開かれたシンポジウムでは、名取市の新病院に精神科外来機能を設置しても不安の解消にはつながらないとの声が上がっていました。
名取メンタルヘルス協会 小泉潤理事長:
「外来をつくっただけではだめ。デイケアに通う人たちはどうするのか通えなくなる訪問看護を受けている人たちはどうするのか」
出席者からは、「患者の意見が反映されていない」などと県の対応を厳しく批判する声が相次ぎました。














