アメリカ上空に現れた、中国の「気球」が問題となっています。アメリカは「偵察用」として気球を撃墜し、中国は「気象などの研究用」としています。気象で気球を飛ばすの?と不思議に思った人もいるのではないかと思いますが、実は飛ばしているんですよ、しかも毎日!その瞬間を、西村裕之気象予報士が取材しました。

午前5時半、山口市を出発。

西村気象予報士
「気象観測用の気球には職員の人たちのプライドがかかってると思うんですけど、その気象庁職員さんの誇りを、この目で確認してきたいと思います」

新幹線で向かったのは、お隣・福岡県にある福岡管区気象台です。全国に5か所ある管区気象台の1つで、沖縄県を除く九州と山口県を管轄します。

まず見せてもらったのは…


福岡管区気象台・服部紀文さん
「こちらが気球の下に取り付ける機械。GPSゾンデと言いまして、重さが約60グラム」

気温や湿度を測るセンサー、位置を測るGPSなどがまとめられた観測器。これを気球につるして飛ばし、高度30キロメートルまでの大気の状態を観測してデータを送ります。気になる気球部分がこちら…

本当に普通の気球という感じで、素材は天然ゴム、中には水素が入っています。

服部さん
「今は直径2メートルぐらいなんですが、上空に行くと気圧が下がって8メートルから10メートルぐらいになります。で、破裂したらパラシュートが開いて、ゆっくり落ちてきます」