日本学術会議の歴代会長が会見を開き、「岸田首相に対して日本学術会議の独立性および自主性の尊重と擁護を求める声明」を発表しました。

声明は、吉川弘之元東京大学総長ら学術会議の歴代会長5人の連名でだされ、政府が去年12月に発表した「学術会議の在り方についての方針」について、「科学者代表機関の独立性と自主性について歴史的かつ国際的に形成され、私たちが共有してきた基本的考え方とあまりにも隔たっている」などと指摘。「岸田総理に対し根本的に再考すること」を要望しました。

会見には5人の内、オンライン参加した山極壽一前会長(元京都大学総長)を含めて4人が出席しましたが、当初出席予定だった吉川元会長は体調不良で欠席となりました。

政府案では第3者も含めて構成される選考諮問委員会を設置するとしていますが、広渡清吾元会長は「菅首相が6名の任命拒否をしたことを正当化して、逆にそれを制度として日本学術会議法の中にビルドインするということが狙い」ではないかとしたうえで、「世界のアカデミアから政府に唯々諾々として従う科学者の組織なのか」といわれ「国際的な笑いものになる」と述べるなど、元会長らは岸田総理に再考を強く求めました。