MGC出場資格を持つ選手の状態は?
今大会のレースが直接MGCにつながるわけではないが、出場資格を持つ選手たちに注目したい。松下菜摘(28・天満屋)は3月5日の東京、福良郁美(25・大塚製薬)は2月末の大阪と、今大会直後にマラソンに出場する。
松下は昨年1月の大阪国際女子マラソンで2時間23分05秒の3位、MGC出場資格を獲得したが、8月の北海道マラソンでは2時間50分44秒の10位。天満屋の武冨豊監督によれば、大腿骨の疲労骨折をしてしまったという。11月のクイーンズ駅伝にも間に合わなかった。
年末から本格的な練習を再開し、1月末からの徳之島合宿では「距離走もできるようになった」(武冨監督)が、東京マラソンでは「MGCの前に1回、2時間26~28分で走っておくのが目標」だという。それを考えれば、今大会での1時間9分台までは必要ないかもしれない。ただ天満屋勢は、目標を上回るタイムを出してくる傾向はある。今大会の松下も先頭集団で、行けるところまで走るのではないか。
福良は昨年3月の名古屋ウィメンズで2時間25分15秒の7位となり、MGC出場資格を獲得した。2月末の大阪では2時間23~24分台を出し、半年後のMGCに向かうプランだ。その前の今大会で、1時間09分58秒の自己記録を更新したいという。福良は昨年の名古屋の後はどの種目も自己記録に迫る走りがなく、「少し構えてしまって、守りに入っていたのは否めない」と河野匡監督。
だがマラソンを3シーズン続けてきて、その間「大きなケガもない」(同監督)という。「どこかのタイミングで弾けたら一気に行くと思う」という期待がある。それが今回のハーフマラソンになれば、自己記録更新も可能性は十分ある。
初マラソンにつなげたい選手たち
松下と福良、招待選手の小井戸は今大会直後のマラソンにつなげるのが目的だが、唐沢ゆり(27・九電工)と西谷沙綾(21・大塚製薬)も直後のマラソンに出場する。ともに初マラソンで、唐沢は大阪を、西谷は名古屋を予定している。
唐沢の大阪での目標タイムは2時間24~25分で、全日本実業団ハーフでは「1時間11~12分台で余裕を持って走ることが目標だ」と藤野圭太監督。
西谷は昨年12月に大塚製薬に移籍してきたばかり。名古屋は「初マラソンで頑張れるだけ頑張ることが目標」(河野監督)、今大会も「どのくらいで走れるか見てみる」という段階だ。だが「ケガなどをしても落ち込まない。人間的なところでエネルギーがある。意外と走るかもしれない」という期待がある。
逸木和香菜(28・九電工)と小笠原朱里(22・デンソー)は、マラソンを将来的に走る可能性はあるが、今回は故障明けの状況でどこまでしっかり走れるかを試す大会になる。
逸木は昨年9月の全日本実業団陸上10000mで日本人2位となり、12月には31分58秒59と自己新をマーク。10月のプリンセス駅伝5区で区間賞と充実期に入ったが、1月に全国都道府県対抗女子駅伝、北九州選抜女子駅伝、大阪国際女子マラソンのペースメーカーと連戦するなかで、膝に痛みが出てしまった。「出るからには1時間10分台は出したい」と藤野監督。万全ではないなかでどこまで力を発揮できるか。
小笠原も1月29日の大阪ハーフマラソンで1時間10分36秒の3位と好走したが、その後、右脚のひらめ筋からアキレス腱にかけて痛みが出てしまった。ロングジョグでつないできて、強めの練習は今大会3日前に2000mを1本走っただけだという。
「(前レースで)1時間10分台を出したので、そこを目標にレース展開をどう組み立てられるか」(溝渕太郎助監督)を意識して臨む。溝渕助監督が「のちのちのマラソンに生かされる部分」と言い、藤野監督も「逸木には一度マラソンを走ってほしい」と考えている。
本来であれば優勝候補の逸木と小笠原だが、将来のマラソン出場を見据えて、苦しい状況の中でも力を発揮する走りを試すことになる。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真:福良郁美(左)、松下菜摘(右)














